斉藤やすひろ議員の本会議一般質問

大会後のラグビー普及について

【質問】

被災県と都内の子供たちの交流事業が都ラグビー協会と東京のラグビースクールの協力で実施され、東京協会とラグビースクールとの子供たち育成のプラットフォームができたことが東京開催の成果。この取組を大会後も活用しラグビー普及を後押しすべき。都の見解を伺う。

【オリンピック・パラリンピック準備局長】

ラグビーワールドカップ日本大会の開催を契機とした子供たちへのラグビーの普及についてであるが、都民のラグビーに対する興味・関心の高まりをラグビー競技者やファンの拡大に繋げていくことは重要である。

都は、大会期間中に、被災県及び都内の子供たちを対象とした交流事業を実施する。

実施に当たっては、幅広い普及を図るため、競技団体やジュニア世代の育成を担うラグビースクールなど、多様な関係者の協力を得て、現場のニーズに合った内容とするなど、事業を効果的に進めている。

大会終了後も、交流事業で培った競技団体等との繋がりを活かし、子供たちが心豊かに成長できるよう、ジュニア世代におけるラグビーの裾野拡大に努めていく。

ビーガンへの情報提供について

【質問】

都としても、ラグビーワールドカップや東京2020大会の機会を活かし、東京では、多様な食文化を有する外国人旅行者でも「食」を楽しむ環境が整っていることをしっかりと情報提供してくことが重要と考えるが、都の見解を伺う。

【産業労働局長】

外国人旅行者への食の情報提供についてであるが、食は旅先での大きな楽しみの一つであり、様々な国や地域から来訪する旅行者にも安心して東京の食を楽しんでもらえるよう、きめ細かな情報提供が求められる。

このため、RWC(ラグビーワールドカップ)期間中においては、観光情報センターに加え、外国人旅行者が数多く訪れるファンゾーンや大会ボランティアによる案内ブースなどにおいて、ムスリム旅行者向けのパンフレットを配布し、食材や調理法などに特別な配慮が必要な方々も安心してご利用いただける飲食店情報を広く発信していく。

また、東京2020大会に向けては、ビーガンを含むベジタリアンに特化したパンフレットを新たに作成するなど、多様な食を提供できる東京の魅力の発信を強化し、外国人旅行者の満足度向上につなげていく。

SDGsについて

【質問】

長期戦略におけるSDGsの視点について、わが党はこれまで一貫して「誰一人取り残さない」ことをスローガンに掲げるSDGsの視点で都政をとらえ、長期戦略に反映すべきと主張してきた。今夏発表された「未来の東京」への論点におけるSDGsの視点について、知事の見解を伺う。

【知事】

長期戦略におけるSDGsの視点についてであるが、現在、検討を進めている長期戦略は、経済、テクノロジー、気候変動、人口構造といった、今後想定される大きな変化を見据え、持続可能な社会を実現するために、我々が為すべき政策を示していくものである。

こうした長期戦略の方向性は、環境、社会、経済など、あらゆる分野における課題解決に向けて、国連が採択した持続可能な開発目標、いわゆるSDGsの理念と軌を一にしている。

国際標準の目線に立って、世界の大都市と課題を共有するとともに、その克服に向けた取組をリードしていくことが、我々が目指す未来の東京の姿である。

今回公表した「『未来の東京』への論点」では、将来の東京を輝かせるために、10年後の2030年に向けて「だれ一人取り残さない」SDGsの目線で政策を見つめ直すことを掲げている。

この観点から、施策をチェックし、ブラッシュアップを図ること、課題が残る分野への対応を強化すること、さらには、都の取組を国内外に向けて積極的に発信することを、取り組むべき課題としている。

今後、全庁を挙げて検討を進め、年末を目途に策定する長期戦略ビジョンにその成果を盛り込んでいく。

【質問】

中小企業とSDGs経営について、東京の中小零細企業におけるSDGsに関する取り組みや課題などの実態を把握するとともに、中小企業での取り組みが進むよう必要な支援について検討を行うべきであるが、都の見解を求める。

【産業労働局長】

中小企業のSDGs経営への支援についてであるが、中小企業がSDGsの視点に立った経営に取り組むことは、信用力、ブランド力の向上や、販路の開拓などビジネスチャンスの拡大につながり、中小企業の成長に寄与することが期待される。

このため、都は今年度新たに、都内の企業約1万5千社を対象に、SDGsに関する理解や取組状況の実態、先進的に取り組んでいる企業の経営面での効果等を把握するとともに、都民を対象にSDGsが企業イメージや消費行動に与える影響等を調査していく。

こうした調査により明らかとなる実態も踏まえ、中小企業に対するSDGsの効果的な周知方法や、SDGsの視点に立った経営の促進などについて検討を進めていく。

医療政策について

【質問】

若年性認知症の人への支援について、医療機関で診断を受けた後や、企業勤務の若年性認知症の方が、「総合支援センター」など相談機関に早期にアクセスし必要な支援が受けられるように工夫すべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

若年性認知症の人への支援についてであるが、都が区部・多摩の2か所に設置した若年性認知症総合支援センターでは、地域連携の推進役を担う認知症疾患医療センターと協力して行う地域の住民や関係者向けの講演会、疾患医療センターの相談員連絡会での情報共有などにより、医療との連携を強化し、診断後に本人や家族を早期に支援につなげられるよう取り組んでいる。

さらに今年度は、職場での若年性認知症への理解と支援の機運を高めるため、企業・団体の人事・労務担当者等を対象に開催するセミナーで、若年性認知症総合支援センターの職員が活動内容や企業との連携事例を紹介することとしている。

こうした医療機関や企業等への働きかけを通じセンターを活用した若年性認知症の人への支援を充実していく。

【質問】

軽度外傷性脳損傷について、軽度外傷性脳損傷、いわゆるMTBIに専門的知見を持つ医療機関へのアクセス情報が欲しいとの声が多数寄せられている。都は、MTBIに関して医療機関などに対する周知を進めるとともに、更に一層区市町村の普及啓発を支援すべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

軽度外傷性脳損傷についてであるが、軽度外傷性脳損傷、いわゆるMTBIは、医療関係者や一般の方に十分認知されていないため、この疾患について理解を広げていくことは重要である。

都は、MTBIが高次脳機能障害の原因疾患の1つであることも踏まえ、昨年、高次脳機能障害のリハビリの中核を担う医療機関の医師等が集まる情報交換会で、MTBIの臨床診断の基準等の説明を行った。今月開催する情報交換会では、区市町村の普及啓発の取組等の紹介を行う予定である。

さらに、補助事業の説明会等において、啓発リーフレットの作成事例等を紹介し、補助の活用を促すほか、保健所や都立病院等の都の施設でリーフレット配布に協力するなど、区市町村の取組を支援していく。

環境政策について

【質問】

廃プラのリサイクル率向上策について、廃プラ処理と地球温暖化防止の両立をはかりSDGs達成に貢献する視点からも、今後は都内全体でプラスチック製容器包装のリサイクルを一層具体的に進めていくべきである。都の見解を求める。

【環境局長】

プラスチック製容器包装リサイクルについてであるが、家庭から排出されるごみのうち、容器包装廃棄物は全容量の約6割を占めており、ごみの削減や資源循環を進める上で、容器包装のリサイクルは重要な取組である。

都はこれまで、区市町村へのヒアリング等を通じて、プラスチック製容器包装の分別収集の拡大には、中間処理施設の確保や住民への分別方法の周知など、様々な課題があることを整理してきた。

今年度は、都と区市町村の検討会で、プラスチック製容器包装をテーマに取り上げ、自治体の優良事例を共有するなど、分別収集の拡大に向けた議論を開始する。

こうした検討会での議論を踏まえ、今後、区市町村におけるプラスチック製容器包装のリサイクルを後押しする仕組みについて検討していく。

【質問】

プラスチックの都民への啓発について、今後は、学校教育と連携しながら、イベントなどを通じて、児童・生徒やその保護者に対して積極的にプラスチックに関する啓発を行うべきと思う。都の見解を求める。

【環境局長】

プラスチックに関する啓発についてであるが、廃プラスチック問題が国際的に大きな社会問題となる中、次世代を担う子供たちが、持続可能なプラスチックの利用方法などを学ぶことは重要である。

都はこれまで、大学などと連携し、海洋プラスチックごみに関する子供向けパンフレットや教員向けガイドブックなどを作成し、その普及啓発を進めてきた。

今後は、学校教育と連携して、イベント等を活用し、廃プラスチック全般の課題や、生活の中でプラスチックの使用量を削減できる事例などを、子供たちに分かりやすく伝える普及啓発手法を検討していく。

持続可能な資源利用に向け、使い捨ての生活習慣を見直し、環境に配慮した消費行動ができる人材の育成を進めていく。

【質問】

葛西海浜公園のPRについて、今後は更に効果的なPRに取り組むとともに、SDGsの環境や教育といった視点からも永続的な保全と利活用を進めるべきと考えるが、都の見解を求める。

【港湾局長】

葛西海浜公園の効果的なPRについてであるが、本公園が、東京都で初めてとなるラムサール条約湿地に登録された意義は大きく、今回の登録を契機として、多くの人々に干潟という生物多様性に富む海辺の自然を広く周知していくことは重要である。

そのため、ラムサール条約湿地を擁する他の自治体と協力し、各地の湿地を紹介するPRイベントを新宿で開催するほか、南三陸町と連携して、登録1周年シンポジウムを開催するなど効果的に発信していく。

さらに、SDGsの趣旨も踏まえ、日本各地から子供たちを葛西海浜公園に招き、現地での体験や交流を通じた海辺の自然への理解を深める環境学習を実施し、次世代を担う子供たちによる継続した湿地の保全と利用へとつなげていく。

目黒川の治水・臭気対策について

【質問】

目黒川における治水対策について、更なる具体的な取組を進めるべきと考えるが、都の見解を伺う。

【建設局長】

目黒川の治水対策についてであるが、水害から都民の命と暮らしを守るためには護岸や調節池等の整備を効率的、効果的に進めることが重要である。

これまで、目黒川では、護岸や荏原調節池等を整備し、時間50ミリの降雨に対する治水安全度達成率は99パーセントとなっている。さらに、近年頻発する豪雨等を踏まえ、より一層の安全性の向上に向けて時間75ミリ降雨に対応する整備を行っていくこととし、平成30年度に河川整備計画を改定した。現在、昨年の西日本を中心とした豪雨などを受けて行った防災事業の緊急総点検を踏まえ、目黒川流域においても新たな調節池の事業化に向けた検討を進めている。

今後とも、目黒川の浸水被害の軽減に向け、こうした取組を着実に推進していく。

【質問】

合流式下水道の改善対策の推進について、良好な目黒川の水辺空間を創出するためには、合流式下水道の改善対策を推進していくべきと考える。下水道局の見解を求める。

【下水道局長】

合流式下水道の改善対策の推進についてであるが、合流式下水道は、強い雨が降るとまちを浸水から守るため汚水混じりの雨水を川などに放流せざるを得ない。このため下水道局では、放流される汚濁負荷量などを削減するため、ごみの流出を抑制する装置や降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備を進めている。

目黒川では、雨水吐口にごみの流出を抑制する装置の設置をおおむね完了したとともに、上目黒幹線など約1万2千立方メートルの貯留施設を稼働させている。さらに、一層の改善を図るため、対策の検討を進めてきた結果、今年度は、池尻幹線・新駒沢幹線を改造し、約13万9千立方メートルの降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設として活用する。今後とも、これらの対策を着実に進め、目黒川の水質改善に貢献していく。

【質問】

目黒川の水質改善について、都は関係する地元自治体をまとめながら、具体的な対応を示すべきと思うが、見解を伺う。

【建設局長】

目黒川の水質改善についてであるが、都市の河川を都民が親しみ憩える快適な水辺空間としていくためには、治水対策と併せて、良好な河川環境を確保することが重要である。

都は、目黒川において、関係局と連携した清流復活事業等による流水の確保や、船舶による大規模なしゅんせつを実施している。また、目黒区や品川区、関係局などからなる水質浄化のための検討会において技術的な助言を行うとともに、目黒区が実施する実験や調査に対する財政的措置を行っている。今年度は、この検討会において、他の河川の先行事例を参考にし、硫化水素の発生を抑制する高濃度酸素溶解水の導入など具体的な臭気対策を検討する。今後とも、地元区などと連携して水質改善に取り組み、地域に親しまれる水辺を創出していく。

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